ファンド関連の用語
変動率
変化の度合いを標準偏差で表した値であり、ボラティリティーあるいはリスクとも呼ばれます。通常、年あたりの値で示します。
ここで注意すべき点が二つあります。
一つは標準偏差ですから、変化の度合いが正規分布をするという前提に立っています。いわゆる、左右対称な釣鐘型の分布です。
もう一つは、変動率は%で表示されますが、実は普通のパーセントではなく変化率の自然対数だということです。普通のパーセントではなく、変化率の自然対数が正規分布をすると考えるからです。ファンドの価値が200%増(3倍)になる可能性はありますが、200%減になることはありえません。ファンドの価値がゼロになっても100%減だからです。普通のパーセントを使うと、増加方向はいくらでも大きくなれますが、減少方向は(-100%)までということになり左右が対称になりません。変化率の自然対数を使うと、この問題が解消します。つまり、3倍になる確率(200%増)と1/3(67%減)になる確率が同じというふうに考えます。
それでは、ユニット価格が100ドルから96ドルに減った場合の変化率の自然対数をとってみます。
Log(96/100)=-0.0408
この数字を、そのままパーセント表示にすると、-4.08%となります。不思議なことに普通のパーセント(4%減)とほとんど同じです。この近似は、数字が小さい場合(10%程度まで)に使えます。
最後に、実際のファンドのデータから変動率の意味を考えてみます。あるファンドの実績をみると次のように記載されていました。
年利回り:19.4%
年変動率:19.3%
シャープ係数:0.79
年利回りは、ファンド設定以来の複利年利回りです。19.4%ですからハイリターン型のファンドと言えます。当然、どの程度のリスクがあるのか気になります。それを年変動率から推定します。
年変動率は標準偏差ですから、平均値からの振れになります。上記の数字から平均値はわかりませんが、年利回りが19.4%ですから平均値を20%と仮定します。すると、
1標準偏差内は
0.7%(20-19.3)~39.3%(20+19.3) 68%
2標準偏差内は
-18.6%(20-19.3×2)~58.6%(20+19.3×2) 95%
これは、年あたりの収益でみた場合、0.7%から39.3%の間に68%の年度が収まり、範囲を-18.6%から58.6%に広げると95%の年度が収まるということです。
つまり、過去のデータによると、このファンドは10年間のうち7年間(68%)は収益を上げ、3年間(27%)は最悪18%程度のマイナス収益になることもあり得ると理解します。さらに、20年に一回の割合(5%)で大きな損失を被る可能性があります。
以上が過去のデータからみたファンドの特性です。したがって、このファンドを購入する場合は、中長期保有(5、6年以上)が前提となります。購入した次の年にマイナス収益になる可能性もあるからです。